IE6の功罪再考

まにまにフェスティバルに行ってきた。クリエイターズセッションの「ブラウザセッション」の最後、質疑応答で @ ことマイクロソフトエバンジェリストの春日井さんへ「IE6は当時はいいブラウザだった」という発言をした参加者がおられた。
これは、確かにそうだ。
WEBデザイナではIE6をdisり始めるととりあえず場が盛り上がる、という話があるぐらいIE6はひどい扱いを受けている。でも、事実、厄介な存在だ。
そこで考えてみた。
IE6が犯した最大の功罪は、その存在そのものではなく、アップデートしなかったこと、なのではないかと。あるいは、もっと早くアップデートできるような仕組みを作らなかった、といってもいいと思う。今、強制アップデートが始まっているし、マイクロソフト自身がIE6を葬り去ろうと躍起になっている。それでも、IE6が減らないのは、IE6でのみ動作する業務システムがあり、それをリプレースできていない、するお金がない企業が多すぎるからであろう。
IEFireFoxChromeと違って企業内業務というのをものすごく意識して作られている。これはIEに限らずマイクロソフトの全製品がそうであり、それゆえギークからするとツマラナイのだけど、適材適所である。だから、IEが大幅なアップデートに対して慎重なのも理解できる。
ただ、IE6に関しては大幅なアップデートをしなさすぎた。あるいは、できなかったのだろう。ならば、IE6をレガシー業務システムを動作させる環境としてのみ生き残らせ、それと切り離した「ブラウザ」をIE6とは別に用意し(名前はどちらをIEにしても全く問題ない)、もっと早くアップデートしておけば、このような問題は起きなかったのではないか、とふと思った。歴史にIFを持ち込むことなのであまり意味はないが…。