クラウドグリプス戦役再考

Windows Azureのローンチが迫ってきた。現状、クラウドプロバイダとして各社参入し始めているが、有名なところはやはりAmazonGoogleとなる。これに、Microsoftが参入したら三つ巴となる。この三つ巴の状態をZガンダムグリプス戦役にたとえながら話を展開しているのが、砂金氏のブログ Azureの鼓動:オルタナティブ・ブログ である。どちらがどちらかわからないが、AmazonGoogleティターンズネオジオンとみなして、自身をジオンから連邦に潜入しているクアトロバジーナことシャアとみて、所属するMicrosoftエウーゴとしておられる。
ところが、この設定、私は常々違和感を感じていた。
違和感は、砂子氏=シャアの設定ではない。それよりも、Microsoft=エウーゴの設定だ。私の感覚では、

Microsoft=旧
Google=新

なのだ。だから、今回、Amazonは視野からはずし、

Google=ネオジオン
Microsoft=地球連邦

とした上で、

Microsoftの旧来の商品群、およびそれにかかわる組織=ティターンズ
Windows Azureチーム=エウーゴ

としたほうがしっくりくる。
実際、地方の中小SI企業に勤めていると、真に戦うべき相手はクラウド陣営の中ではなくて、旧態依然の組織なのだ。特に、VB、および、VB.NETでクライアントサーバシステムを構築し、Windows + Windows Serverでイントラネットを構築し、それを納品している人たち、「WEBシステムなんていらねーぜ。全部クラサバで十分さ。」といっている人たち、それをサポートしているMicrosoftの技術なのだ。
こういった世界というのは、Microsoftが定めた独自の技術で完結できる。ところが、WEBの世界は無理だ。かつて、MicrosoftはWEBの世界にも独自のものを持ち込もうとした。IE6のHTML解釈やJScriptは典型だろう。ASP.NETだって、クラサバの感覚を無理やりWEBの開発に強引に持ち込んだとしか思えない。そういった感覚に慣れ親しんで、全てがMicrosoft製の技術で塗り固められた技術者というのは、それこそ、「重力に魂を奪われた人たち」であって、そこから抜け出せずにいる。アースノイド至上主義、まさにティターンズなのだ。
ところが、Googleなどが先行しているネットの世界、特に、クラウドの世界というのはMicrosoftがいくらがんばっても独自の技術というのが浸透しにくい。もっと、ひらかれた宇宙(そら)なのだ。スペースノイドの世界なのだ。Azureも当然スペースノイドの世界なのだ。ゆえに、「重力に魂を奪われていた人たち」にはできないことなのだと思う。まさに、エウーゴなのだ。地球連邦の中から地球連邦を変えていく組織なのだ。
そういった中、ジオン出身のクアトロ砂金大尉には非常に期待したい。
ところで、私自身はどうか。「あの無重力帯の感覚は怖い」ので宇宙(そら)へは上がれないのだが、カラバの一員として、地球から精一杯サポートしたい。